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Welt wunder

MMORPG「マスターオブエピック」の2次創作&オリジナル小説置き場兼MoE日記。誰が得するかって俺得。

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2009

01/13

Tue.

不定期連続小説「MoE/AtW」外伝 

幕間「少女二人の告白」



「……」

ビスク東エリアのとある家屋の中。

年頃の少女が二人。

「今日は、どうするの?」

黒い髪をセミロングの長さにきっちり揃え、如何にも真面目そうな眼差しをしたニューターの少女、ブリュンヒルドが言った。

「どうしようかしら」

透き通るような空色の髪をポニーテールに纏めたコグニートの少女、エリノアが呆然と応える。

普段はブリュンヒルドと似て意志の強そうな彼女だが、今は若干それに緩みが感じられた。

「煉が何時帰ってくるか分からないんじゃどうしようもないのよねぇ」

トラブルに対して巻き込まれ体質なように見えて、その実面白そうな厄介事には自分から首を突っ込むのが大好きな迷惑主人公は外出中。

よってタイトルの通りこの二人が主人公な訳だが。

「何か狩りに出る気にならないわ」

「私も……」

それじゃ話にならない。

「……」

そのまま沈黙が場を支配する。

「不思議なものね」

唐突に呟いたブリュンヒルドの声音は何処か感慨に満ちているというか。

「彼と出会って、まだ全然日が経ってないのに、ものすごい変化があったと思うの」

私だけかしら?と視線で問いかけてみる。

「同感……」

しがない剣士だったエリノア。

煉と出会うことで、確実に強くなっている。

流れ人である彼女には、実感として伝わる強さが嬉しかった。

「――ちょっとだけ、愚痴を零してもいい?」

苦笑を浮かべつつ今度は口に出して問いかける。

「構わないけど……」

エリノアは、ブリュンヒルドに対し決して弱音をはかない気丈さを持っているというイメージを抱いていた。

諸兄等に分かりやすく言うなれば委員長タイプであり、それは間違っていない。

そんなイメージからか、エリノアはきょとんとしつつも頷いた、

「正直貴女が羨ましいわ」

「へ?どうして?」

「知っての通り私はギムナジウムの生徒なんだけど、魔法専門の普通科所属なの」

そう言って鬘付きの帽子を取り出す。

「魔法と武器、両方扱う学科も存在もあるわ」

イザベラやハウリル、フィリアがその学科の専攻である。

違いは帽子の飾り付けに表される。ブリュンヒルドのそれは間違いなく普通科の飾りつけだ。

「実は武器を扱おうと思ったのは、煉に助けられたのがきっかけだったのよ」

詳しくは第2話参照。

「その前からずっと思ってたわ、周りに助けられてばかりでいいのかなぁって」

当時、彼女はプリースト兼シャーマンを志していた。

後衛で味方の回復や補助を担う役割である。ポジション柄的に狙われやすい上に、脆い。

ギムナジウムで経験した模擬戦でもそういう状況に置かれることはしばしばあった。

「そういう役割なら役割で割り切る必要があると思うけど」

「多分性格なんでしょうね」

負けず嫌い、というか血の気が多い、というか。

ブリュンヒルドにはそれが落ち目に感じられたのだ。

「だから武器を手に取ったわ。自分で自分の身を、仲間も守れるように」

つまり遊撃、これを諸兄等の知る言葉に代えるならご存知サマルトリアとなる。

「でも甘かった」

武器を扱うということは当然筋力を鍛えねばならず、その分魔法を学ぶ為の時間も削られてしまう。

委員長タイプであれば必ず責任感が強く、彼女も例に違わない。

そして、劣等感も人一倍強く感じてしまうもので。

日々離れていくスキルの差に彼女は悩んでいた。

そんな時、煉と再び出会った。

「案の定迷惑かけちゃったのが悔しくて悔しくて……」

更に必死になった。

同調するように成長度合いを上げていくエリノアという存在が更なる刺激を呼んだ。

その賜物が先日の地下水路といったところだろう。

元々得意だった回復魔法は3次シップが見えるところまで、強化魔法もそれに追随し、遅れがちな戦闘面をフォローしてくれる。

「確かに悔しいんだけど、今はとても楽しいの。煉には恥ずかしくてとてもいえたものじゃないんだけど。あなた達に出会えてよかったって心から思えるわ」

だからこそ授業がないときはビスク港のあのベンチへ足を運ぶようになり、行動する機会が増えてきた。

イザベラ達とは違う研鑽の形が、ブリュンヒルドには新鮮で有難く、何物にも変え難い経験や喜びとなっていた。

「そう思うと、私も煉がいたからこうしているわけなのよね」

この二人の共通点。

それは、以前までどちらも向上心に欠けていたという点。

「気がついたらダイアロスに居て、気がついたら暮らしの為に剣を取って魔法を覚えて……」

それが楽しかったかといえると、否。

ダイアロスでお金を稼ぐというなら戦闘以外にもいくらでも方法はある。

例えば生産。

鍛冶は5回ほど火傷をして諦め、裁縫は危なっかしいと周りから止められ、料理や醸造は……諸兄等の想像に易いだろう。

だから戦闘してお金を稼ぐ外なかったのだ。

「エリノアらしいというか、なんというか……」

彼女のこれまでの生活の仕方を聞いて、ブリュンヒルドは納得の意を込めて苦笑した。

形は違えど、互いに苦労を重ねてきたのは言うまでも無い。そんな意味もあって共感さえ覚えた。

一つの出会いをきっかけに、二人の少女は強くなる為の心を手に入れたことになる。

「別段いい人って訳でもないのに、何処か人を惹きつけるってのも不思議よね」

「ホント、何であんな変なのに惹かれ――」

言葉を続けようとしたエリノアがハッと、口を噤んだ。

「やっぱりね」

これまで何度か茶化してみたが、ブリュンヒルドの推測は正しいようだ。

寧ろ正しくなければ彼女が煉と行動する理由が真っ向から否定される。

「……」

珍しくブリュンヒルドはニヤニヤと。

「……」

エリノアは若干高潮させた顔を俯かせて。

「まぁ、解らないでもないわ。私だってエリノアの気持ちに気づいてなかったら――」

誘導し、恥ずかしいことを言わせた相応の対価として、ブリュンヒルドは言ってみた。

「ちょっと……!」

「冗談よ、あくまで別の選択肢として……あっ」

調子に乗った結果がこれだよ。

「「……」」

先の描写が逆となり、再びの沈黙。

「まぁ、誰が本命ーとかそんな野暮なことは聞かないけど」

「そうしてくれると助かるわ」

とまぁ、二人共心情を出来る限り曝け出したところで。

「何か熱くなりすぎたわね」

「外に出て頭を冷やそう……」

二人の仲は、間違いなく良くなったと言えるであろう。

なぜなら僅かながらに残っていた余所余所しさは完全に消え、互いをよき友と呼べる間柄になったのだから――



幕間 fin...

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