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Welt wunder

MMORPG「マスターオブエピック」の2次創作&オリジナル小説置き場兼MoE日記。誰が得するかって俺得。

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2008

12/24

Wed.

【投げっぱなし】ブログ一周年記念ショートショート【ジャーマン】 

~後編~

 

「戦闘区域内だとものを食べる暇が無くて困るよねぇ」

噴水のふちに腰掛けて、朝食のホットドッグにかぶりつく。

最近のヴァレリーは夜型の生活を送っている。理由は前編を参照あれ。

どうにも日光が眩しくて仕方ない、寝不足のせいだろうか。

「んー、眠い~」

とりあえず宿営場で一眠りしよう、ということで。

プレゼントエイジ用の服を銀行から取り出し、物陰で着替える。

以前露店で買ったイビルダンサーのドレスとロインクロス、いつか全身揃えたいがプレゼントエイジではか弱いコグニートに過ぎない。

かといって頼める人もいないのが現状。

最後にまともな会話をしたのがいつだったか覚えていない辺り妙にリアルである。

「そろそろ何処かFSに入ろうかなぁ」

左右シンメトリカルな蝶々型のリボンをつけて、着替え終了。

露出度が異様に高く、コグニート特有のスレンダーな体躯や整った顔立ちも相俟って一歩間違えば『夜のお仕事』をしていそうな容姿である。

とは言えダイアロスにそういった夜のお仕事は便宜上存在しないのでなかったこととさせていただく。



「……」

ため息の代わりにあくびを一つ。



「寝すぎちゃった……」

宿営場について直ぐその場に倒れこむように眠りに落ちて、目が覚めたのはもう日も落ちようという頃。

橙に輝く斜陽が妙にすがすがしく感じられるのは、すっきり眠れて上機嫌だからだろう。

「これからどうしようかなぁ」

ビスクの西エリアで買い物しようとしたら、何だかお嬢様風のコグニートと死んだ魚のような目をしているヒューマンの男が服を売っている店の目の前で言い争いをしていた為近寄れなかった。

別に服を買おうと思っていたわけではないが、言い争いの野次馬になるほど野暮ではない。

あの状況で堂々と買い物が出来るのもなかなかの度胸ではあるかもしれないが、生憎ヴァレリーは小動物のようなか弱い乙女だったりする。

尤もか弱い乙女というのはヴァレリーが自負しているだけ。

他に買い物が出来そうな場所ということで、ネオク山に向かうことにした。

「……」

ビスクと比べるとどうしても発展が遅れているという印象があるが、それも仕方なし。

銀行近くなら多少の露店もあるだろうということで移動。

「ぎゃあああああああああああああああああ」

何だか記憶に新しい悲鳴が聞こえた。

「やめろおおおおおおおおおお」

アサシンのシップ装備に身を包んだニューターの青年が。

「そら、もっとやれー!」

無言無表情な下着一丁のニューターの男4人にタコ殴りにされていた。

「……」

余りにもシュールというか唐突過ぎて、一瞬眩暈がした。

「まだやるかー?」

下着姿のニューター男集団は消えていき、ふとそこにエルモニーの男が現れた。

黒や灰色を基調としたゆったりとしていつつそこはかとなくダークな雰囲気を醸し出す服装にまぁるいサングラス。そして、手には裁縫用の大きなはさみを持っていた。

アサシン風の彼と違って一見しただけでは雰囲気が掴めない、そんな謎を秘めていた。

ともあれ、彼はどうやら何かのスキルで姿を隠し、代わりに先ほどのニューターを召喚、使役していたようである。

「やったなああああああああ!」

と、アサシン風の男は両手を組んで念じるように体を揺さぶると、エルモニーの男が召喚していたのと同じニューター集団が現れたではないか。

「ヒヒヒ」

受けてたつぜ、といわんばかりにちょっと性格の悪そうな笑みを浮かべて、エルモニーの男は再びニューター集団を召喚した。

4体4の召喚下着男対決開始。

「やれ!」

「かかれー!」

8人の下着男が入り混じって殴りあう様は正直気分が悪かった。

そして。

「負けた……だと……!?」

まだこの世界にいることを許されたエルモニー側の下着男達を眺めつつ、アサシン風の男は呆然と呟いた。

「頭の使い方が違うんだよ」

「くそおおおおおおおおおおお」

「ダンススキルだねぇ」

なんとなく、横槍を入れたくなった。

「最初にウェーブダンスで、次にツイストしてるのが見えたよ~」

そう、エルモニー側の下着男達は召喚主の支援を受けて、少しだけ力を得ていた。

となれば同じ条件で召喚されたアサシン風の男側の下着男達は苦戦を強いられるに違いなかった。

余談ではあるが、ダンスを見せるだけで味方にどうやって支援するのかは作者にも良く分かっていない。

所謂ダイアロスの神秘であるからして、これ以上は触れないでおく。

「へぇ、アンタ見てたのか」

エルモニーの男が正解だ、と再び笑みを浮かべる。

「なるほど……、ならこっちにも手があるぜ!」

「すとっぷ。 れでぃの前でそんなことしないで~」

両手を組んだ男を制止させる。正直彼女からすれば何度も見たいようなものではない。

「何でこんなことになったの?」

「まぁ、別段いつものことだが……」

と、エルモニーの男が被りを振る。

「ビークの大羽が欲しくて、こいつにとって来てくれる様頼んだんだが、それを忘れてやがったんだ」

「あー……ひょっとして~、修行のついでだった。とか?」

昨夜、確か彼はダーククロウと戦っていた(一方的に突かれていた)が、そういう理由もあったらしい。

「そうそう!でもあいつらよってたかって突きやがって、全然倒せなかったんだ。倒しても無事な羽根は中々手に入らないしさ」

大仰に手を振り、弁解をするが、それは理由になってない。

「ビークの大羽かぁ。ちょっと待ってて~」

やはりどういう仕組みか解らないが、各地の銀行に預けてあるものは共通して取り出すことが出来る。

「少ないけど、良かったらこれ使うかなぁ?」

取り出してきたのは5枚の大羽。繊維の乱れ一つないまるで今取ってきたかのようなそれであった。

生産においてそれなりの価値を持つが、ヴァレリーには使いでがないので買い取りに出そうか迷っていたのだ。

誰かの役に立つならその誰かに使ってもらうべきだろうというわけで。

「使う?」

「いいのか?」

「ボクには必要ないから、誰かの役に立つなら取っておいた意味もあるよぉ」

考えのままに、ヴァレリーは大羽をエルモニーの男に手渡した。

「んじゃあ有り難く頂くとするぜ、ありがとうよ」

「まぁ、偶然ってことで何かの縁ってやつじゃないかなぁ」

「アンタ、変わってるな」

「ボクはボクだよ、人と違うって言うならそれは褒め言葉~」

それじゃあ、とヴァレリーは踵を返しその場を後にしようとする。

「ん、待った」

そこに呼び止め。声音の様子が違ったので何事かと。

「?」

「アンタ、やっぱ変だ。っていうか抜けてるな」

苦笑しながら、エルモニーの男が言った。となりではアサシン風の男が何故か顔を赤くしていた。

「そんなに褒めても何もでないよぉ?」

「もう『出てる』んだ、それが」

「……え?」

「ドレスのスカート部分に穴が空いてる」

数秒後乙女らしい叫び声と、何故か一人の断末魔が木霊したのはいうまでもない。

「ケケケケ」




「あう~」

ひとしきり叫び声が収まった後、ヴァレリーはエルモニーの男―チェルノボグと名乗った彼に全身を覆うローブを借りて通路の端っこに腰掛けていた。

「な、何で俺が蹴られたんだ……」

その反対側、壁に体を預けていじけているアサシン風の男―こっちはカゲトというらしい―が腫れた顔を手でさすりながらぼやいた。

「凝視してたキミが悪い」

とまぁ、そんな理由。

飄々としているチェルノボグに対し、カゲトのリアクションが男性が取るにふさわしいものだったというだけ。

「え、あ、いや……ごめんなさい」

「分かればいいんだ~」

とはいえ、ヴァレリーに非がないかと言えばそうでもない。

露店で安く売られていたフェザードレスがあったので買っておいたものなのだが、それが別物でしかも拾い物だったとは指摘されるまで気が付かなかった。

「ハズかしかったぁ……」

「あれ、カゲトじゃん。お使い終わったの?」

とそこに今度はコック姿をした別のエルモニー(♂)が登場。手には大き目の紙袋を抱えている。料理かその食材でも入っているのだろう。

チェルノボグとは違って、ハキハキした喋り方と雰囲気があった。

「終わった、というか、なんというか」

「また誰かに手伝ってもらったとかじゃないよね?」

ここでヴァレリーが聖人君子なら『彼タイタンで頑張ってたんだよ』とフォローを入れるが、

「ダーククロウにつつかれてぎゃーぎゃーいってただけだったよ~」

彼女はそんなコグニートじゃない。

「そんなことだろうと思った」

「ちくしょおおおおおおおおおおっ!」

「ねぇ、彼って本当にアサシン?」

どうせなので単刀直入に聞いてみる。

「残念ながら」

どうやらちゃんとしたアサシンのシップについているとのこと。

残念と言う言葉の取り方は諸兄等にお任せしよう。

「ウチのカゲトがご迷惑おかけしました、これ、よかったらどうぞ」

そういうと彼は抱えていた紙袋から湯気の立つたいやきを取り出した。

「ありがとぉ」

早速ぱくつく。今日は気分的に頭から食べることにした。

かりっとした生地に、温かいつぶあんのはーもにーが口いっぱいに広がっていく。

「美味しい~!」

思わず声が出た。

たい焼きは出来たてをぱくつくのが一番だが、これなら冷めても充分その品質を保つだろう。

「笑顔屋そあん支店、手作りのたいやきだよ。どうぞごひいきに」

「露店見かけたらお邪魔するね~」

野次馬、とは言わないが興味本位からの行動がここまで発展するとはよもやヴァレリーが思っているはずなかった。

が、どうやらいい出会いのようだ。

いろんな意味で。

「おーい」

チェルノボグの声に振り向けば。

「穴は修正して刺繍の解れも直しておいたぜ」

返してもらったドレスは一流の職人が仕上げたフェザードレスも真っ青の見栄えとなっていた。

「すご~い!まるで新品みたい!」

「オレに掛れば朝飯前さ。大羽のお礼だ」

「……」

ある意味穴の開いたドレスより人の注目を集めそうだが、そんなことどうでもよかった。

「おしゃれ用に取っておこうっと」

そそくさと銀行へ向かい、服を入れ替えて―

「ローブありがとう~」

今度はちゃんとしたシルクの服とミニスカートに身を包み、きちんと折りたたんだローブを返却。

「あ、そろそろ戻らないと……」

もう少し雑談をして居たかったが、すでに月が顔を出していた。

狩の時間である。

本来買い物に来たはずなのだが、それ以上にヴァレリーの心は満足感に溢れていて。

「また此処にきたら、キミ達に会えるかなぁ?」

「僕は此処が拠点だよ」

「オレも裁縫仕事は此処でするぜ」

「俺もここによくいる!」

「別にキミは……」

カゲトが思いっきり項垂れたのを確認してから、手を振り駆け出す。

「それじゃ、縁があったらまた会えるといいな~」

「じゃあなー」

「ばいばーい」

今まで何となく流されるがままに生活をしてきた。

意味や目的がそこにあったかは分からない。

ただ、今日の出来事はヴァレリーと言う流れ人にダイアロスで生きる為の何かをもたらしたのは間違いない。

その証拠に、狩りへと向かう彼女の足取りはとても軽やかだった――



「ヨホーイ」

「あ、もちさん」

「また徹夜で仕事してたの?」

「あと少しで限界までミスリル強化が出来そうだったんだ……」

「頑張るなぁ……」

「というか、よくそんなきぐるみ着て仕事できるn」

「カゲ、そこから先は禁則事項(ゲーム的な意味で)」

「やっぱり?」

「あ、もちさんよ」

「ほいほい?」

「FSの加入受付用紙、一枚用意しておいてくれないか?」

「ふむ、何でまた」

「有望そうなメンバーが一人入ってくれるかもしれないからな――」

彼が言う有望そうなメンバーがFSに加入し、日々を騒がしく過ごしていくのは……また別のお話。


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