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Welt wunder

MMORPG「マスターオブエピック」の2次創作&オリジナル小説置き場兼MoE日記。誰が得するかって俺得。

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2009

04/18

Sat.

さよこい えくすてんど 

プロローグ「ダイヤモンドの様な関係」



「あのね……」

極彩色と精密に描かれたCGで埋め尽くされた液晶ディスプレイの中。
風は吹いていないが湖に波が揺らめき、空は青いのに雨粒が降って来る。
其処は現実とはかけ離れた虚像の世界。

「私今日で引退しようと思うの」

CGで表現された彼女(キャラクターが女性なので彼女ということにしておこう)は、無表情なままそんな言葉をチャット欄に表した。

「ちょっとリアルが忙しくなっちゃってね、堕落してた自分を戒めるのにも良い機会だから」

今までにも何度か親しい人が引退という言葉を残し、僕の前から姿を消した。
中には戻ってくる奴もいたけれど。

「このゲームでアナタと出会えて、一緒に狩をしたり、くだらないことを話したり。とても楽しかった」

無限耐久mob狩競争をしたあの日。
僕がダウンするのとほぼ同時に貴女もダウンして、どっちのほうが長く生き残ってたって言い合いになった。
公式のイベントに参加したあの時。
僕が前衛で、貴女はヒーラー。迫りくる敵の猛攻から貴女を守るのに必死で周りが見えてなかった。
結局貴女の援護がなければ、僕は幾度も押し寄せるmobの群れに轢かれていただろう。

「……」

僕は何もいえなかった。
只でさえ、最近友人の1人と会えなくて寂しい思いをしていたところに、よもやこんな凶報が舞い込もうとは。
画面を介してとは言え、限りなく近しいと思えた存在が、一瞬にして電子の波に飲み込まれ藻屑と化す。
貴女が作ってくれたレア素材の装備が、寂しく画面の中で輝いている。
所詮はデータの集合体、0と1のみで表現されるだけの儚い存在だって言うのだろうか。

「うん、今までお疲れ様。君と過ごせたことを忘れないよ」

「本当にありがとう……。さようなら」

貴女が言ったさようならという一言。
どうしても僕にはその一言がいえなかった。

何故だろう。
今まで迎えたどんな別れより、彼女が居なくなると言うことがショックだった。
彼女がどんな容姿をしていて、どんな生活を送っているのか、そもそも男なのか女なのか解らない……いや、解りたくなかったが。

恐らく僕は、この虚像の世界の中で実らない恋をしていた――

―さよならから始まるがあるようです―
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