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Welt wunder

MMORPG「マスターオブエピック」の2次創作&オリジナル小説置き場兼MoE日記。誰が得するかって俺得。

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2008

09/22

Mon.

不定期連続小説「MoE/AtW」 

第13話「れっつジョインジョイン……PTィィィィ!」


「おにいちゃん、朝だよー」

「もうそんな時間か……」

いつものベンチ。

煉も徐々にこのやり取りに慣れてきた、アニェルと共に生活を始めて1週間が経とうとする日。

イザベラとのいざこざの後、煉が目を覚ましたのは次の日の夕方。

「……」

エリノアとアニェルが心配そうな顔をしていたのが、煉にとっては非常にばつが悪かった。

元はと言えば、アニェルの世話に時間をとられレポートを仕上げるための時間がなくなってしまったのが原因、要するに睡眠不足だった。

とりあえず昨日まではちゃんと休養をとり、その間にレポートも追いついた。

今日から再び狩りに出ることになりそうだ。

が。

「――あら?」

どうやら客人によって予定に支障が出そうな予感がした。

「エリノアから聞いた話じゃ、朝はものすごく弱いって聞いたけど」

紙袋を携えた客人、ブリュンヒルドはきょとんとした顔で、寝ぼけ眼の煉と、同じく寝ぼけ眼のエリノアを交互に見やりつつ言った。

「生活サイクルの問題だ、少なくともアニェルが来る前は夜型の生活だったさ」

朝に弱いのはどちらかと言うとエリノアのほうだが、それでも彼女が速く起きるほうが多かった。

「別に夜しか出ないモンスターをやりに行くわけでもないのに、変よね」

「……オレの周りのヤツは皆こんなだったがな」

桶に水を張り、顔を洗ってようやっとお目覚め。

「で、今日は休みなのか?」

「えぇ、だから4人で狩りに行こうと思ったけど……」

ブリュンヒルドが一瞬だけ目配せをした。

その先を見てみると、

金色のロール髪がちらり。

「!」

隠れたつもりだろうが、陽の光が髪の毛に当たり目立つことこの上ない。

「ぴかぴかでくるくる髪のおねぇちゃんだー!」

とまぁ、アニェルに笑顔で手を振られる始末。

「ほら、イザベラ。出てきなさいよ」

「……」

ようやっと姿を現したイザベラは、この前手に入れた上質な艶を放つ黒いハイキャスターローブを着ていた。

どちらも妙に輝いているため、煉はちょっと目を細めた途端。

「っ!」

物陰にひゅっ、と。

「……記憶にある限り、あんなしおらしいヤツじゃなかったが」

まるでその様子は小動物のようであった。

呆れ気味に指を刺しつつ、煉は呟いた。

「とりあえず、眩しい」

「も、申し訳ございませんわ」

そそそ、と日陰のほうへ。

「んで、ブリュンヒルドよ。何でこいつまでついてきてるんだ?」

「あーそれがね」

眉間をぽりぽり。

ブリュンヒルドは自分の口からは言いたくないと、イザベラに促しをかけた。

「あ、あのっ、先日は大変失礼を……。心よりお詫び申し上げますわ」

深々と頭を下げ、イザベラは言った。その表情は窺い知れない。

「オレも怪我は治してもらったし、逆に休息も取れた。感謝したいくらいだ」

「おかげで狩りに出られなかったのは、いい気分じゃないわね」

とりあえず私服に着替えたエリノアは、やはり不機嫌そうだ。

アニェルは、言うまでもなくお察し。

「これ、宜しければどうぞ」

ずずいと丁寧にラッピングされた箱を差し出され、断るわけにも行かないので受け取る。

「どうぞ、中身を……」

中身は――

「疲れたときは糖分を取るのが宜しいかと思いまして、どうぞ食べてくださいまし」

「お菓子だー」

キャンディーに大福、アップルパイ。

色とりどりのお菓子を見てアニェルの表情がきらきら。

「物で気を引こうとしたって、私は――」

解れそうになった表情を無理やり正して、エリノアが食いつく。

「別に、貴女に許してもらうつもりは無くてよ」

途端ブリュンヒルドが知るいつものイザベラへと早変わり。現金なものである。

「まぁ、オレは良いから二人で食べるといいさ」

箱に蓋をして、陽の当たらない場所へ。

今日の夕食後に華が出来た、と煉は安心した。

「お気に召しませんでした?」

「いや、朝から食べるもんじゃないだろ……」

やっぱりね、とイザベラの後ろでブリュンヒルドが苦笑を漏らした。

「「……」」

「まぁ、朝っぱらからでも食べたがってる例外が、そこに二人ほど居るぜ」

指摘されて、片方は恥ずかしそうにもじもじと。もう片方は気にも留めず箱へ視線を送るのをやめない。

「エリノアも許してやれ、お互い結局無事に和解したんだからな」

「煉は甘いわよ、仮にも死に掛けたじゃない」

「アレくらいの怪我で死ぬほど、柔な人生は送ってないんだな。これが」

一般的な冒険者からすれば十分重傷に見えるはずだが、煉は慣れたものだと笑顔を貼り付ける。。

「ワタクシとそう年も変わらないのに、経験豊富なのですわね」

「経験したくてしたわけじゃない。とはいえ、それが今は生きる糧になってる。なら間違った経験じゃないってことだ」

「何よぉ、私よりちょっとおしゃれで、綺麗で……」

最後のほうは小声で聴こえなかったが、

「それで食って掛かってたのか?」

まだ発展途上の冒険者でそれ相応に稼ぎの少ないエリノアと、見るからにして優秀そうなイザベラを見て、どちらが上品で美人か、と聞かれれば十中八九後者と答えが返ってくるのは明白だった。

「んー」

エリノアの傍にいたアニェルが、二人を見比べ、そして自分の体躯のある部分をみて。

「確かに、おねぇちゃんの胸、おっきぃなぁ。おかーさんみたい」

天然着火式爆弾発言。

「なっ!?」

直撃。

イザベラは、さっと胸元を腕で押さえたが、思い返してみると彼女のそれは少々自己主張が激しいことに気がついた。

「れっ、れれれ……煉様は――あぁダメよイザベラ!私には軍人になると言う立派な夢がっ!」

「え?あたし、何か変なこと言った?」

声にならない声で、なにやら深みにはまってじたばたしているイザベラ。

「気にすることは無いと思うけど」

その後ろでくすくす笑うブリュンヒルド。

「毎日ミルク飲んでるのに~」

煉の隣ではエリノアがうるうるとしていて、アニェルがそれを何事かと気にかけていた。

「子供は……偉大だよな」

早い時間からちょっとだけ騒がしいビスク港のいつものベンチ。

「やっぱり女は苦手だが――」

でも、何だかこの雰囲気、煉は嫌いじゃなかったのだった。



朝食を摂り終る頃には、全員落ち着きを取り戻し、

「さて、どこへ狩りに行きましょうか」

湯気の立つティーカップを傾け、一息ついてからイザベラが切り出した。

まだ頬には若干の赤みが差しているが、湯気の熱か、それとも。

「ミーリム海岸はこの人数じゃ物足りないわね」

先日、初心者脱出の登竜門(作者判断)イクシオンコメットを一人で撃退できて、少々自慢げなエリノア。

「となるとレクスールヒルズもダメかしら」

イザベラが間違ってもアマゾネスをやりにいきましょうという前に、ブリュンヒルドが付け加えた。

「出来れば近場がいいな。ぱっといけてぱっと戻れるような」

「お兄ちゃんと一緒ならどこでもー!」

「どう考えても、最後の二つはわがままじゃないかしら」

「気のせいだろ」

少なくとも煉本人はふざけていなかった。

「……」

「地下水路、何てどう?」

そういったのはエリノアである。

「面白そうだな」

地下水路という響きがなんとなく浪漫を駆り立てているのは内緒。

「煉様がそういうなら、ワタクシ付いていきます!」

「イザベラ、レコード持ってきてる?」

「銀行ですわ、少々お待ちになってください」

腰の子袋から触媒を取り出すと、呪文を詠唱。

「テレポート、ですわ」

光の粒子と共に、イザベラの姿は消えていった。

「……はぁ」

その瞬間、煉はため息一つ。

「どうしたの?」

「いや、ああいうやつは苦手でな」

「そういう割には、態度の差がありすぎると思うんだけど……」

「ああいう性格のやつはいくらでも、会ってきたが――」

周りが女性しか居ないため、多少言葉を探していると。

「のどかな昼にこんにちわ、なの」

「おねーちゃん!」

アニェルをちょっと無愛想にしたような、エルモニーの少女が背後に居た。

「アレット、お前どこから現れたんだ?」

「ずぶ濡れじゃない」

「水浴びのついでなの、このお日様なら直ぐに乾くの」

水も滴る良い幼女、じゃなくて。

「エリノア、着替えを出してやれ」

「えぇ」

その合間に煉は囲いを組み立てて、

「お気遣い、感謝するの」

背負っていた木筒を地面に置き、エリノアから服と体をタオルを受け取って、囲いの中へ。

「さすがにこの服をそのまま干すものアレだな、見つからないように乾かして今度届けにいく」

「助かるの」

もぞもぞ。

波の音と布のずれる音

「あ、おねーちゃんもすいろ一緒にいく?」

「?」

アニェルそっくりの服に着替え終わったアレットは、囲いから出てきて突然の質問に戸惑い気味。

「狩りに行くの、良かったら一緒にどう?」

「外回りのついでに、ちょっと立ち寄ってみただけなの。あなたたちが思っているほど、アマゾネスも楽じゃないの」

まだ濡れている髪をエリノアにタオルで拭いてもらいながら、アレットは答えた。

とても残念そうな声音である。

「残念だな」

「また誘って欲しいの」

「あ」

エリノアは、先ほどイザベラが煉に差し出したお菓子の詰まった箱から、琥珀色の飴玉を一つ取り出すと、

「口、開けて」

「コレ、何なの?」

「飴玉、甘くておいしいわよ?」

「……」

若干警戒しつつも、ぱくり。

「噛み砕かずにゆっくり口の中で転がしてね」

「―甘くて、とても美味しいの」

表情全体がそういっているように見えないが、目は幸せそうに輝いていた。

「ふふ」

「じゃあ、そろそろ行くの」

「あぁ、またな」

「……あの」

立ち去る間際。

「?」

「また来たら……飴玉、欲しいの」

「用意しとく」

もらい物でなく、自分達がきちんと用意したものを喜んでもらえたなら、こちらも気分が良い。

「ありがとう、なの」

一瞬だけ、エルモニーらしい無邪気な笑みを浮かべたかと思うと、そのまま向き直って走り出し、その姿はあっという間に見えなくなった。

「静かな癖して騒がしいやつだ」

「……残念だなぁ」

アニェルが足をぶらぶらと揺らしつつ、嘆いた。

「また今度一緒に出掛けましょう」

そこにブリュンヒルドの優しい笑みと声。

「―うん!」

「只今戻りましたわ~……って、皆さんどうかなさいまして?」

戻ってきたところに、いきなりほんわかした笑顔があったんじゃ、疑問を浮かべるのも当然か。

「いや、何でもない」

「なら、いいのですけど……」

そして、舞台は地下水路へ―



「……何だか、嫌な予感がするの」

類稀なる勘か、アレットは走るのを止めた。

「外回りも大事だけど、アニェルはもっと大事なの」

翼ある弓は、風の力を目一杯借りて、ビスクへの道を戻り始める――



また、この人も。

「今日のお散歩は地下水路にしようかしら~、回復魔法の実験台も見つかりそうな日和なことだし……」

はてさて、どうなることやら。



To be continued...
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Posted on 17:05 [edit]

category: MoE小説<現行作品>

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